先週の説教より
「先にガリラヤへ行かれる」 マルコによる福音書16章1-8節(4/4説教)
女性たちが墓に入ると、白い長い衣を着た若者が右手に座っており、恐れおののく女性たちに「驚くことはない。あなたがたは十字架につけられたナザレのイエスを捜しているが、あの方は復活なさって、ここにはおられない。御覧なさい。お納めした場所である」と語り、「さあ、行って、弟子たちとペトロに告げなさい。『あの方は、あなたがたより先にガリラヤへ行かれる~そこでお目にかかれる』と」(6~7節)、そう女性たちに告げたのです。
女性たちによって弟子たちに伝えられたこの言葉が弟子たちの心を捕らえたのです。主イエスは最後の晩餐の後、弟子たちに「あなたがたは皆わたしにつまずく。~しかし、わたしは復活した後、あなたがたより先にガリラヤへ行く」(14章27節以下)と言われました。弟子たちは女性たちの伝言によってこの主イエスの御言葉を思い出したのです。
なぜ主イエスは「ガリラヤへ行く」と言われたのでしょうか。それはガリラヤが弟子たちと主イエスとの最初の出会いの場所だったからです。そこに立ち帰り、そこから新しく、今こそ本当に主の弟子として生きなさいというメッセージが込められていたのです。弟子たちが主イエスの十字架に躓き、全く主の弟子にふさわしくない者であることが明らかになったにもかかわらず、なお弟子たちを受け入れ、主の弟子として用いようとされる主イエスの御心の中に、主イエスの十字架と復活による愛と赦しがあることを弟子たちは知ったのです。弟子たちは今や、主イエスの十字架と復活の恵みの光の中で、主イエスを理解するようになったのです。そのことができるようになった時、弟子たちは今こそ本当に主の弟子として生きる者とされたのです。
牧師 柏木英雄
ものであることを知った時、弟子たちは今こそ本当に主の弟子として生き