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先週の説教より

「戸口に近づいている」 マルコによる福音書13章28-31節(8/8説教)

 いちじくの「枝が柔らかくなり、葉が伸びると、夏の近づいたことが分かる。それと同じように、あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、人の子が戸口に近づいていると悟りなさい」(28~29節)と言われています。

 「これらのこと」とは、人間の隠れた罪が露わになるという世の終わりの「徴」のことです。そのような徴を見る時、世の終わりが近づいていることを知ると共に、何よりも「人の子」、即ち、救い主が救いを完成するために「戸口に近づいている」ことを悟りなさい、と主は言われるのです。世の終わりは、人間の罪が露わになる時でもありますが、同時に、十字架と復活によって罪と死に勝利し、今まで隠れて救いの働きをしておられた主イエスが誰の目にも明らかな仕方でご自身を現わし、救いを完成する時でもあるからです。

 そうであれば、人間の罪が露わになる世の終わりの徴を見る時、いちじくの木によって夏が近づいていることを知るように、今まで隠れて働いておられた主イエスが「戸口に近づいている」、即ち、主イエスが救いを完成する時が近づいていることを知りなさい、と主は言われるのです。

 ヨハネ黙示録3章20節に「見よ、わたしは戸口に立って、たたいている。だれかわたしの声を聞いて戸を開ける者があれば、わたしは中に入ってその者と共に食事をし、彼もまた、わたしと共に食事をするであろう」とあります。主イエスが「戸口に近づいている」なら、この主イエスを、今、救い主として受け入れ、主イエスの十字架と復活の救いの恵みに今(今日)与って生きることが、世の終わりが終局に向かい、主イエスの救いが完成に向かって進んでいる時の中で、最も確かで最も安全な生活の仕方である、と主イエスは言っておられるのです。

牧師 柏木英雄