先週の説教より
「悪魔に抵抗しなさい」ペトロの手紙(一)5章8-11節(5/14説教)
8節に「あなたがたの敵である悪魔が、ほえたける獅子のように、だれかを食い尽くそうと探し回っています」とあります。何かおどろおどろしい印象を与える表現ですが、私たちの身近な信仰の現実について語っているのです。
サタンにとって最大の敵が主イエスでした。それ故にサタンは、主イエスがメシアとしての公生涯を始めた時、真っ先に主イエスの前に現れ、主イエスを誘惑し、主イエスの信仰の歩みを挫こうとしたのです。
サタンにとって主イエスが最大の敵であるということは主イエスに以外にサタンに打ち勝つ者がいないことを意味しました。主イエスに敵対したイスラエルの指導者たちは自分たちこそ神に仕え、最も神に祝福された人間だと自負していましたが、彼らはすでに深くサタンの支配下に入れられていたのです。そのことを自覚することがないほどに深くサタンの支配下に。彼らが主イエスを受け入れることができないということがその証拠でした。そして主イエスはそういう彼らの不従順を受け入れ、十字架の死を全うすることを通してご自身がまことのメシアであることを明らかにすると共に、ご自身がサタンに勝利するただ一人の御方であることをも示してくださったのです。
9節に「信仰にしっかり踏みとどまって、悪魔に抵抗しなさい」とあります。主イエスにしっかりつながっていることがサタンの誘惑に打ち勝つただ一つの道なのです。代々の信仰者の共通の取り組みがサタンとの戦いです(9節後半)。サタンとの戦いは確かに困難なものがあります。私たちはすぐにサタンの誘惑に負けて主から離れた生活になりがちです。しかし、サタンに勝利された主が共にいてくださいます。この主に立ち帰り、主の御力に頼ることによって私たちはサタンに勝利し、「主にある」信仰の道を全うすることができるのです。
牧師 柏木英雄