先週の説教より
「聖霊が降ると力を受ける」使徒言行録1章3-11節(5/21説教)
3節に「イエスは苦難を受けた後、御自分が生きていることを、数多くの証拠をもって使徒たちに示し、四十日にわたって彼らに現れ」とあります。この40日間によって弟子たちは真に主イエスの復活を信じる者とされたのです。
弟子たちは初めなかなか主イエスの復活を信じることができませんでした。弟子の一人トマスは主イエスの復活を信じることができず苦しみました。「あの方の手に釘の跡を見、この指を釘跡に入れてみなければ、~わたしは決して信じない」(ヨハネ20章25節)とトマスは言い張りました。大変乱暴な言葉ですが、それだけ深いトマスの苦悩を表しているのではないでしょうか。
その八日後、復活の主がトマスの前に現れ、「あなたの指をここに当てて、わたしの手を見なさい。また、あなたの手を伸ばし、わたしのわき腹に入れなさい。信じない者ではなく、信じる者になりなさい」(27節)と言われたのです。トマスの苦悩を知って、復活の主が直々にトマスの前に現れ、トマスが願う通りにすることによって復活の主イエスの体が本当に十字架にかかった主イエスの体であることを確かめ、それによって信じる者になりなさい、と言われたのです。復活の主イエスの中に十字架の主イエスの愛と赦しが示されています。この復活の主の限りない愛と赦しに触れた時、トマスの心は砕かれ、「わたしの主、わたしの神よ」(28節)と言って、主の御前にひれ伏したのです。
8節に「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして~地の果てに至るまで、わたしの証人なる」とあります。聖霊を受けるとは、復活の主イエスの霊に与ることです。復活の主の霊に与る時、私たちは罪赦された者として主イエスの復活の命に生かされるのです。その時、私たちは力を与えられ、主を信じる者にふさわしい者として生きることができるのです。
牧師 柏木英雄