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先週の説教より

「神は真実な方」コリントの信徒への手紙一1章4-9節(6/18説教)

 4節に「わたしは、あなたがたがキリスト・イエスによって神の恵みを受けたことについて、いつもわたしの神に感謝しています」とあります。「わたしの神」と言っています。パウロがいかに深くキリストの父なる神との交わりの中に生きていたかがうかがえます。そしてこの表現の中に、自分のような不従順な人間、否、神に反抗する人間(なぜなら、パウロはかつてキリスト教徒を迫害する人間でしたから!)をただ深い憐みのうちに捕らえ、キリストの救いに生きるように導いてくださった神は、多くの問題を抱え、深い弱さの中にあるコリント教会の人々をも同じ憐みの恵みのうちに捕らえて、キリストとの霊的な交わり(9節)の中に生きることができるようにしてくださった、という思いが込められているのです。自分とコリント教会の人々とを重ね合わせるようにして「わたしの神に感謝している」とパウロは言っているのです。

 6節に「キリストについての証しがあなたがたの間で確かなものになった」とあります。「キリストについての証し」とは、直訳では「キリストの証し」です。キリストご自身がご自身の救いの働きを証明してくださるということです。私たちが神の御前に謙遜に立つ時、キリストが聖霊において私たちの魂の内に働いてくださることによって、その証明をしてくださるのです。コリント教会の人たちはその「キリストの証明」を豊かに受けている、とパウロは言うのです。

 9節に「神は真実な方です。この神によって~主イエス・キリストとの交わりに招き入れられたのです」とあります。神の真実は、キリストが人間のすべての罪を受け入れつつ十字架の死を全うしてくださったキリストの十字架の真実の中に示されています。パウロはこのキリストにおける神の真実を見つめながらコリント教会の人々を、そして私たちを励ましているのです。

牧師 柏木英雄