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先週の説教より

「聖霊があなたに降り」(アドベント第2主日礼拝) ルカによる福音書1章26-38節(12/10説教) 

 26節に「六か月目に、天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた」とあります。「六か月目」とは、エリサベトの懐妊から六か月目ということです。不妊の女と言われたエリサベトが懐妊し子供が与えられたという事実が周囲に知れ渡り(当然、親族のマリアにも!)、驚きと感動をもってその事実が受け止められていた時でした。神は、そういう時を選んで、マリアのところに天使を遣わされたのです。神の深いご計画を思わされます。

 「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる」(28節)と天使はマリアに告げました。「マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ」(29節)のです。マリアは自分が特別に神様に顧みられ、恵みを与えられる理由を見出すことができなかったからです。そのマリアに天使は告げます。「あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産む~。その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない」(30~33節)と。そのように言われてもマリアは戸惑うばかりでした。そもそも結婚の経験のない自分に子供が与えられるということ自体がマリアの理解を越えることでした。

 天使は答えました。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。~あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。神にできないことは何一つない」(35~37節)。この天使の言葉を通してまさに聖霊がマリアに降り、マリアの心が一瞬のうちに変えられ、マリアは「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように」(38節)と言って、マリア自身にとって不可解な事実を心から受け入れることができたのです。このマリアの受認によってクリスマスの出来事は真に実現の緒に着くことができたのです。

牧師 柏木英雄