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先週の説教より

「聖霊が降ると、力を受ける」 使徒言行録1章3-11節(5/12説教)

 3節に「イエスは苦難を受けた後、御自分が生きていることを、数多くの証拠をもって使徒たちに示し、四十日にわたって彼らに現れ、神の国について話された」とあります。主イエスの40日間の復活顕現は弟子たちにとって決定的な意味を持っていました。この40日間で弟子たちは主の弟子として完全に立ち直ることができたのです。

 この40日間の復活の主イエスとの交わりの中で弟子たちが学んだ最も大切なことは、主イエスの十字架の死が人間の罪を贖う「贖いの小羊」としての死であり、自分たちのすべての罪も主イエスの十字架の死によって贖われ、赦されている、ということでした。このことを知ることによって、まったく主の弟子にふさわしくない者になってしまった弟子たちは、再び主の弟子として生きる勇気と力を与えられたのです。ガリラヤ湖で舟の右に網を降ろしてみなさいと言った人が復活の主であることが分かった時、ペトロは上着をまとって湖に飛び込み、いち早く主のもとに馳せ参じました(ヨハネ21章以下)。このペトロの中に新しく生まれ変わった弟子たちの姿を見ることができます。

 弟子たちは、復活の主によって直ちに「神の国」が実現すると思いました(6節)。しかし、そうではなかったのです。復活の主は天の父なる神の御許に帰らなければならなかったのです。この「昇天」がなければ、復活の主の救いの働き(神の国!)は限定的で不完全なものだったからです。主イエスが昇天され、姿を隠され、神の右にあって、聖霊によって信じる一人一人に対して(いつでもどこでも)自由に御臨在くださることを通して、主イエスの救いの働き(神の国)は真に開始されるのです。

 「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける」(8節)と言われています。聖霊が降り、復活の主が信じる者と共にいてくださる時、そこに神の国(神の救いの働き)があるのです。

牧師 柏木英雄