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先週の説教より

「あなたがたはキリストの体」 コリントの信徒への手紙一12章27-31節(9/15説教)

 28節でパウロは「神は、教会の中にいろいろな人をお立てになりました」と言って、第一に使徒、第二に預言者、第三に教師、次に奇跡を行う者、病気をいやす賜物を持つ者、援助する者、管理する者、異言を語る者などを挙げています。確かにこれらの働きをする人たちは教会にとって大切な人々です。しかし、もっと大切なことがあると言うのです。「あなたがたは、もっと大きな賜物を受けるよう熱心に努めなさい」(31節)と言うのです。主の体なる教会に連なる一人一人(27節)が「愛」(13章1節以下)に生きることこそ、最も大切なことである、とパウロは今日の個所で言っているのです。

 そして教会の中で特別な賜物を与えられている人々(使徒、預言者、教師、奇跡を行う人等々)はそのこと(一人一人が愛に生きること)のために仕える使命を与えられているのであって、その使命を果たさなければ、その働きは空しいとパウロは言わんとしているのです。つまり、教会に連なる一人一人が「愛」に生きることが最も尊いことであり、上記の働きをする人々はそのことのために仕えなければならないと言うのです。このように語るところにパウロの健全な、正しい信仰者としての姿が表わされていると思うのです。

 「使徒」とは基準となる主イエスの教え(福音)を担う人々です。預言者とは福音(神の言葉)を宣べ伝える説教者のことです。教師とは福音の真理を深く探求する神学教師です。奇跡を行う者とは、自らを深く主に委ねることを通して特別な力を与えられた人でありましょう。確かにこれらの人々は主の教会を担う大切な人々です。しかし、主の教会においてもっと大切なことは、主の体なる教会に連なる一人一人が「愛」に生きることであって、上記のような特別な賜物を与えられた人々はそのことのために仕えなければならず、その使命を果たさず、自らに与えられた特別な賜物を誇るなら、それは神の御心ではない、とパウロは言わんとしているのです。

牧師 柏木英雄