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先週の説教より

「お言葉どおり、この身に成りますように」(アドベント第2主日) ルカによる福音書1章26-38節(12/8説教)

 マリアはみ使いによって救い主の母として選ばれたことを知らされました。
「その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は~」(32節以下)。そのことはマリアにとってまったく思いがけないことでしたが、もっと意外なこと、いや、決して信じられないと思われたことは、結婚の経験がない自分が子供を産むということでした。そのようなことは絶対にあり得ないとマリアは思ったのです。そしてこのマリアの思いが変えられない限り、御子の誕生はあり得ないことだったのです。

 神は、このマリアのために最大限の配慮をされたのです。それは、マリアの親族エリサベトの選びでした。ザカリアの妻エリサベトは、夫と共に「非のうちどころのない」信仰に生きていましたから(6節)、選ばれて当然の女性でしたが、エリサベトはマリアの親族であった故に選ばれたという面があったのです。神はこのエリサベトの懐妊の事実をマリアに示したのです。

 「あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。神にできないことは何一つない」(36~37節)。エリサベトが懐妊して六か月になっているという事実と共に、天使の言葉がマリアに語られた時、その天使の言葉が「神の言葉」としてマリアの心を捕らえたのです。否、天使の言葉と共に「聖霊」が働くことによって、マリアの心は180度転換し、「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように」(38節)と、自分の身に起こった信じ難い出来事を心から受け入れる者に変えられたのです。

 「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む」(35節)。聖霊によってマリアの胎の中に命が与えられると共に、それを受け入れる従順(信仰)も聖霊によって与えられたのです。マリアの身に行われた神の御業は、このマリアの従順によって真に実現の緒に着くことができたのです。深い神の御計画を思わされます。

牧師 柏木英雄